30年前まで一般的にシメジの名称で広く流通していたキノコは、実はヒラタケであり、シメジとは全く関係ない物だと言う事をご存じだったでしょうか。
ヒラタケについて
ヒラタケは世界中の温帯の山林に自生し、広葉樹林の枯れ木などに生えている一般的なキノコで、平安時代や鎌倉時代、室町時代、江戸時代のどの文献にもヒラタケの記述があることから日本でも古くから食べられてきたキノコであることが分かります。
また30年前までは、美味しいとされている「ほんしめじ」の名にあやかり、ヒラタケをシメジとして売られていたようですが、ヒラタケはヒラタケ科ヒラタケ属でシメジとは全く関係ないキノコなのです。
現在流通しているヒラタケは、オガクズなどを利用して菌床栽培した物がほとんどで、天然のヒラタケよりは風味は淡泊ですが味にクセもない事からどんな料理にも合います。
地域によっては、天然もので晩秋の寒い時期に採れることから「寒茸」と呼ぶ地域もあります。
また欧米では、ヒラタケの大きく開いた傘の部分が、牡蠣に似ていることから「オイスター・マッシュルーム」と呼ばれています。
しめじについて
「香り松茸味しめじ」と言われるしめじとは、ほんしめじの事であり松茸の香りに勝るほど味が良いと言う事です。
ほんしめじは、キシメジ科シメジ属でアカマツなどの樹木と共生する菌根菌であり、松茸やトリュフなどと同じ仲間です。
栽培は極めて難しいとされ希少品でしたが、最近ではその難しいとされている人工栽培に成功し「大黒しめじ」の名で市場に流通するようになりました。
また今までしめじとして売られていたものはブナシメジの事でキシメジ科シロタモギタケ属となり全く別の物です。
現在ではこの表記は改善され、紛らわしい事は無くなりました。
まとめ
人工栽培が進み、今まで希少品として市場では見られなかったキノコも簡単に購入できいろいろなキノコを味わう事が出来ます。
栄養面でも素晴らしい効果があるため毎日の食卓に摂り入れていきたい食材です。
また、ほんしめじもヒラタケもキノコ特有のβ―グルカンを含むため免疫力を高め、ウイルスや細菌の感染を防ぐ効果があるのでインフルエンザなどの予防にもなると思います。
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