国産の松茸は、味も香りも輸入松茸をはるかにしのいでいます。
国産松茸の養殖は各方面で長年研究されています。
それでもまだ実現しないのは、松茸の生態が関連しています。
松茸は赤松やエゾマツなどマツの木の根元に生えます。
そして成長過程で松の養分を吸収し、松に養分を与えます。
つまり松茸の養分は生きている松で、松は松茸に養分を与えます。
その仕組みが松茸の養殖を困難にしています。
赤松の分布は、北海道から四国まで広い範囲に分布しています。
ほかの種類の松まで入れると日本全土に及びます。
松茸の養殖が成功したら、もっともポピュラーなきのこになります。
それはそれで、ちょっと寂しい気もします。
養殖松茸ができない理由
松茸と赤松は互いに利用し合って成長しています。
それを共生菌と言いますが、共生菌のキノコは養殖が困難なのです。
双方に都合の良い環境がないと育たないのです。
光や土壌環境や降水量やその他もろもろの要因が、双方に都合よく重なる場合のみ松茸が発生するのです。
松茸は栄養分の少ない、乾いた土壌を好みます。
松は必ずしもそうではないのです。
松茸が発生するのには、そのほかに気温や湿度も関係しています。
その複雑な環境を全てクリアしないと、養殖松茸は出来ないのです。
きのこの分類は栄養を得る方法によります。
松茸は、共生菌の中の菌根菌に属します。
同じ仲間にはテングダケが属します。
シイタケは腐生型白色腐朽菌です。
腐生菌のきのこは養殖が可能です。
まとめ
松茸の養殖は本当に不可能なのかと言うと、そうでもありません。
恵那市で林業を営む男性は『松茸博士』と異名を持っています。
数年前に、カサが開いた松茸を赤松の毛根の付近に置いたところ、胞子が拡散して菌糸の塊のシロができることを確認しました。
それからシロを広げて、松茸の増産に成功しています。
増産技術は科学的に立証されてはいませんが、その赤松林には松茸が群生しています。
養殖ではなく増産だということです。
またたまに松茸の養殖に成功したと言う話がにわかに湧いて出ますが、まだ立証されてはいません。
国産松茸は依然として高嶺の華です。
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