いくら松茸が天然、自然の産物だといっても、なすがままでは減少の一途をたどるばかりです。
松茸はカビの一種で菌根菌の仲間です。
宿主のアカマツや、クロマツ、ハイマツ、エゾマツ、ツガ、コメツガの1ミリ未満の根に感染して糖類を摂取します。
宿主は菌根を介して土壌のミネラルを受け取り、また根を微生物の攻撃や乾燥から守る役目をしています。
日本では宿主のほとんどがアカマツです。
松茸の減少と山の手入れ
松茸を減少させているのは、私たち人に他なりません。
今は山に入る機会も減り、精々山菜採りくらいです。
山を育てて山菜を頂く作業を怠ってしまったのです。
キノコは樹木の成長を助けています。
キノコの発生が減少している今は、森が荒れて放置された状態なのです。
実際にアカマツ林を手入れすることにより、マツタケの枯渇を免れた地域があります。
放置された森や林は鬱蒼と木々が生い茂り、枯葉や腐植が堆積し、土壌は栄養過多になります。
乾燥土壌と異なる微生物の発生により、マツタケは発生しなくなります。
また腐植層にアカマツが根を張った場合には、マツタケは生息できません。
マツタケは深さ30㎝以上の地中には生息しにくいのです。
アカマツの復活
木々の枝を適度に伐採し、腐植を浅くするだけでも木々をストレスから守ります。
今また枯渇寸前のところで、森を育てる活動が起こっています。
個人単位でできることではありませんから、自治体や組合、政府が一丸となり、森林を健康な状態に保てる活動をしてゆく時です。
私たち日本人は江戸時代にはすでに、松茸を贈答品として使っていました。
天然の松茸は江戸時代から貴重品でした。
世界の人には珍味でも、日本人には例えようもない贅沢な香りです。
今では輸入品がたくさん入って来ています。
国産はわず2%に過ぎません。
まとめ
日本の自然界における生態系は崩れかかっています。
人口が減少に向かう今、手をつけないと間に合わなくなります。
森の生態系が崩れ、森で暮しているはずの動物たちが、里に下りて来ています。
アカマツの木の植林をするまえに、光を入れ、土壌を整えて自生するのを待つことになります。
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